コラム
2025.10.17
「記録を未来へ残す技術」
〜JIS Z6018って何?デジタル時代の安心保存ルール〜
私たちの暮らしや仕事の中には、消えてはいけない情報がたくさんあります。
契約書、設計図、行政文書、医療記録——それらは、時を超えて残すべき「記録」です。
でも、デジタル化が進む今、こうした情報はすべてパソコンやクラウドに保存されがち。
便利な反面、「本当に長く残せるの?」という不安もあります。
そこで登場するのが、日本産業規格「JIS Z6018」です。
〜JIS Z6018とは?〜
JIS Z6018は、電子データを長期保存するためのルールを定めた規格です。
特に「マイクロフィルム」や「レーザーディスク」など、物理的なメディアにデジタル情報を記録する方法について詳しく定めています。
簡単に言えば——
「大切なデータを、消えない形で残すための技術と手順をまとめたガイドライン」です。
どんなことが書かれているの?
JIS Z6018には、以下のような内容が含まれています。
●電子データをマイクロフィルムに記録する方法
●記録の品質やフォーマットのルール
●保存メディアの選び方(COM、COLDなど)
●索引や識別の方法(後から探しやすくする工夫)
●保存期間や複製の管理方法
つまり、ただ「保存する」だけでなく、「後から確実に取り出せる」「改ざんされない」「長く劣化しない」ことを前提にした設計なのです。
なぜ今、JIS Z6018が注目されるのか?
クラウドやサーバーは便利ですが、停電・災害・サイバー攻撃などでアクセス不能になるリスクもあります。
また、ファイル形式やシステムが変わると、過去のデータが開けなくなることも。
そんな時、紙のように「目で見て読める」マイクロフィルムは、最後の砦になります。
JIS Z6018は、そのマイクロフィルム化を正しく、安全に行うための基準なのです。
☆こんな方におすすめ
• 官公庁や自治体で文書保存を担当している方
• 建設・製造業で図面や設計書を長期保存したい方
• 法務・総務部門で契約書の証拠性を確保したい方
• 医療・教育機関で記録の改ざん防止を重視する方
〜まとめ〜
記録は、未来への責任です。
JIS Z6018は、デジタル時代において「消えない保存」を実現するための知恵の結晶。
クラウドだけに頼らず、アナログの力も活かすことで、本当に守るべき情報を未来へ届けることができます。